定年間近い米文学教授のもとに、或る日、TV局から、ヘミングウエイの処女作が見つかったという話が飛び込んできた。以前、教授の家にホームステイしていた、スペイン・日本の混血でマドリッド在住の女性がコーデイネーターで、出元は、末期ガンで死の床にある老詩人だという。教授はスペインに飛び、この女性と共に探索を始める・・・・・
1922年にヘミングウエイの最初の妻ハドリーが盗難に遭って無くしたこの作品の原稿が数奇な運命を辿ってヘミングウエイのもとに一旦は戻るが、その翌日1961.7.2彼は自殺してしまう。長年探し続けてきた自分の処女作をやっと手にしたのに何故彼は自殺したのか?そして、この原稿が何故老詩人の手元にあるのか? 山田英幾という作者には誠に失礼乍ら、お名前は存じ上げなかったけれど、他の作品を今すぐ読みたいと思わずには居られないほど、ストーリー・筆力・構成等一級品である。(プロの批評家みたいにエラソウナことを言ってしまいました。) 1999年、ヘミングウエイ生誕100年の年にNHK出版より公刊されたこの本は、スペイン物を得意とする逢坂剛(小生は、この人の大ファンでもある。)を思わせるスペイン内戦の叙述も、決して逢坂に負けてはいない。 ご一読をお勧めする所以である。(なあ~んてね。) 本日読了。
by tsc-edotyuu
| 2005-02-08 22:49
| 乱読
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