遥 洋子「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」再掲

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遥 洋子(はるか・ようこ)さん、関西で活躍するタレントさんだそうです。
小生は寡聞にして知らず。最近、この寡聞というのが多いような気がするんですが
寡聞×10=無知  ではないでしょうか? この等式が成立することを証明せよ。ナンテネ。
東京女子大や日本女子大のことを、トン女とかポン女というように、彼女が卒た武庫川女子
(短)大のことを、昔は、親しみを込めてドブ女と呼んでいました。今は、寡聞にして知らず。

さて、彼女にとって上野教授は如何なる印象だったのでしょうか。
「小柄だが、凄みのある女性。そんな第一印象だった。」そうです。
彼女が受験に失敗した或る大学の教授のコネで、東大の上野ゼミに入れて貰い、学部ゼミ
や博士課程の学生もいるゼミで悪戦苦闘する数年間を語ったのが本書です。
まず、ここの学生が、あたりまえのように英語文献を読むことに衝撃を受ける。
上野教授に「だって、ここは学問のプロを育てるところよ」と言われ、遥さんは、多分「エライ
とこへ来てしもた!」と後悔したんじゃないでしょうか。
その目的とは、ケンカに勝つこと、これでした。ケンカと言っても、口ゲンカ、つまり議論に勝
つことです。言葉の格闘技に勝つことです。
そして、彼女は、勝ち方を会得します。それが以下の十箇条です。

1守るための開き直り:「自分がかわいくて何が悪い」などと間髪を入れず開き直る。

2守るための質問(わからない): 攻撃された時、それに対し、反論、弁明などのリアクションを とるのではなく、相手が無自覚に安易に使用している言葉や表現に対し、質問する。

3守るための質問(○○ってなに?):あらゆるイデオロギー装置を問いただす方法。

4攻撃のための質問(そのまんま):質問にそのまま質問で返すやりかた。

5広い知識を持つ:専門バカになるな。熟読でなく、多読をして、引き出しをたくさん持て。

6ワクを越えた発想をする:そこにあるものを疑うことで初めてそのワクの存在を認識できる。

7言葉に敏感になる:これなしに議論に勝つことなどできない。どんな些細な言葉でもいい。
 不用意に出た言葉、無自覚に使われる表現、曖昧になっている言葉、すべて攻撃対象だ。

8間をあけない:攻撃系質問をいきなり仕掛け、相手の不意をつく。

9声を荒げない:ケンカに怒声はつきものだが、これをやったら負け。

10勉強する:すべて、あらゆる固定観念と戦い、勝ち、説得力を持つためには、理論が必要
  そのためには勉強するしかない。
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彼女の上野千鶴子評他

 日常生活で言葉を介在させることで他人とコミュニケートする以上・・・これほどまでに言葉
 を聞き逃さない人は・・・

 違う、と思った時の介入の早さ、展開の多様さ、言葉の的確さは・・・

 「TVでは女性性器のことをなんて言うのお?」キャッキャッとはしゃぐかわいい声が・・・

 「相手にとどめを刺しちゃいけません。相手をもて遊ぶ方法を覚えて帰りなさい」

 「日本で一番恐い女」と異名をとる・・・

 「美に価値はない」といいきれる上野教授の社会と、美しくなければ生きていけない私の社
 会と、私は二つの社会を知った

 私(遥)は、日本の未来より、明日の自分のギャラの方が気になる

 男は顔と歳とオチ○チ○の大きさで仕事を貰えないから、仕事の腕を磨く。
 女は顔と歳とオッパ○の大きさで仕事が貰えるから、化粧に精を出し、老けないように努力
 し、胸パットを入れる。  (原文では、○は実字です  乱読・注)

 「ほんとか?ほんとにそう言えるのか?」の視座を失わないことは、過度のストレスだった

 ひらがなが極端に少ない文章に対する恐怖感からだけは脱したようだ

 議論がめっぽううまくなった。言葉が以前より自由に使えるようになった気がする

 上野千鶴子はジェンダーバランスの針が、もっとも両極に振り切れて共存する構成体

 上野千鶴子によれば「文化とは権力や経済力を持たない負け犬の持つものです。」 これについて小生思った のですが、上野千鶴子に日韓問題を語らせたい。というのは、韓国人は『文化では先輩なのに文明の進んだ日本にしてやられた』と思っているらしいから。

 講演会が終わって、遥さんの仲間達と食事した後の仲間の上野(終始笑顔だった)評
    「優しそうな先生ね」 「愛嬌がいいわね」 「少女みたい」

 だいたいが私はタレント。楽してなんぼの商売で、派手好きで、男好きで、金満主義という
 条件をすべて満たしている。この嗜好と、勉強は相反する行動様式だ。勉強に「感動」を
 確認できたとき、そのことに「感動」する自分がいた。そして、その「感動」を企画し、構成し
 演出し、提供する上野千鶴子に「感動」した。

 視点の多岐にわたること、発想が枠を越えたところにあること、膨大な情報の中から矛盾
 を見抜く力・・・

 私には、上野千鶴子という人は、近代国家という時空間で、揶揄や脅迫の渦巻く中を毅然
 として綱渡りをしているように見える。



本書を読むと、上野千鶴子という人は、ほんとにスサマジイ人のようですね。
遥さんが度々引用する上野教授(社会学・フェミニズム論)の著書を提示します。
これらを読んで、皆さん「勉強」してください!
「<わたし>のメタ社会学」「発情装置」「ナショナリズムとジェンダー」「家父長制と資本制」



乱読状況 : 「神聖ローマ帝国」 乱読中
 

 
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by tsc-edotyuu | 2005-05-03 18:49 | 乱読
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