林 真理子「旅路のはてまで男と女」読了

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週刊文春に、2001.10~2002.12 連載のエッセイ集。
大きく分けて、時事問題と身辺雑記から成る。 身辺雑記のテーマは、当然のことながら
衣食住中心となる。あと、交友関係。  以下、アットランダムに印象に残った箇所を、ご紹介
しよう。

☆どちらかと言えば、肉体労働をする男が弁当をつかう姿にヨワイらしい。ラーメンや牛丼
  では何ともない。男っぽい外見と、無防備な姿が彼女の母性本能を刺激するという。

☆東京駅地下の大丸の弁当の充実ぶりに感動している。小生も何度か買ったことがあるが
  ”ホッペタウン”の駅弁の品揃えは、たしかにスゴイと思う。
  余談だが、「東京駅一番街」というのが出来た。

☆「年を取ってよかったナと思うことのひとつに、食べ物やにひとりで入れるようになったこと
  がある」  女子というのは、こんなところもあるんだね。そう言えば、吉野家や、まつやの
  カウンターに若い女の子は、あまり見かけない。たまに居ても、肩に力が入った感じの子
  のような気がする。尤も、小生、殆ど行く機会はないけど。

☆東京の地下鉄各線に個性を発見。
  千代田線:「すっきりとした都会派の若者」表参道、乃木坂、赤坂を通るからね。
  銀座線:「上品なおばさま」三越前という駅を想起するから。
  日比谷線:「秀才のお坊ちゃま」 霞ヶ関から官僚とおぼしき男性が乗ってくる。
  東西線:「中年のおじさん」大手町のイメージから、そう思うらしい。小生が歯医者に行く
        際に乗る線なり。西船橋駅がリニュウアルされたよ。
  他の路線に言及がないところをみると、あまり乗ったことがないんだろう。

☆「ヴィンテージ」と名前を変えてから、古着は急に価値が出てきた。  本当?

☆ ”25ans” 「叶姉妹を世に送り出した、おハイソな奥様、お嬢様の読む雑誌・・・
          厚化粧の、なんか人生ナメてるような女ばっかり出て来る」そうだ。
          そう言えば、ウチの次女も購読してたなあ。お嬢様じゃないのに。 

☆時事問題、人物批評
  野○サッチー  この人のことは大っ嫌いらしい。「強欲で、意地の悪いおばさんはついに
             逮捕される・・・」
             「私はこの人のことが最初から好きではなかった。毒舌だけで商売が
             なりたち・・・」
             「サッチーのような、何の特技も、知性のカケラもないようなおばさんに」
 田中真○子  「外相として本当にふさわしかったのか・・・」
           「外交などということがまるっきりできなかった大臣。重要機密をペラペラ
            しゃべり、指輪がなくなったとわめきたて、部下に買いにいかせる大臣。
            人との調和が全くとれず、気にくわないことがあれば籠城を決め込む大
            臣。」
           「私は彼女のことは認めていない。こういう人が拍手喝采される世の中は
            本当に問題だと思っている。」
 鈴○宗男  「あの鈴○宗男さんというのは許しがたい。昔の自民党のオヤジそのままじゃ
          ないか。」
         「ムネオさんは最悪の政治家であるが、やっていたことはミニ角栄じゃん。」
 小泉さん  「ひと言でいえば愚直なまでの理想主義者だ。」
 叶姉妹   「彼女たちのことをデビューの雑誌以外で書いたのは私が初めてだ。」
        「経歴も、まるっきり出鱈目の、顔も体もかなり直しているらしい二人・・・」
        他のところで、彼女達が近いウチに失速することを予言。 
 関口宏   「関口宏さんていい人ですね。あの年齢で、あれだけの地位にいる方が・・・」
         小生思うに、どれだけの地位にいるんだろう? 関口宏嫌いじゃないが。
 三枝成彰 「私は師と仰ぐ三枝成彰さんに・・・」彼とは、よく行動を共にしているようだ。
         同じ先生についてダイエットをしている。彼は10回近く登場する。
 辻本清美 「自分が正しいと信じ切っている、あの残酷さが本当に不愉快なのだ」 同感。
 舟木一夫が言う「和泉雅子ちゃんは昔『小雪』だったけど今は雪だるまだって」Cf.「絶唱」
 金正日 「どう考えても理屈も涙も理解しそうもないあの総書記に・・・」
       ウチの家人にかかれば、将軍様も「そこらにいるオバサンみたい」らしい。
 キャスリーン・バトラー  オペラ歌手。浅学非才の小生、某ブロ友に教えられるまで、知
                らなかった。ババロッテイと共演するほどの人なんだってね。
                「最近、性格の悪さで世界中の歌劇場から総スカンをくらって
                いるという彼女は、意地の悪い女を演じるとぴったりする」とのこと
 ナンシー関 「ナンシーさんの文章は鋭くきつかったけれども、品位が漂っていた。この
         品位というのは至難の業だ」 林のナンシー評価は高い。早死には惜しい。
 中村うさぎ ボツリヌス菌体験をして「若く美しくなられたことに私は目を見張った」 

☆食べ物関係の記事も多い。
    フグ  サラリーマンの夫は¥2900のフグで喜んでいるが、妻たる彼女は、5万円
         のフグを食べている。小生の知るところでは、ご亭主は、さる大手エンジニ
         アリング会社の勤め人で、もし林真理子と結婚しなければ、我々と同じような
         生活をしていた筈だが、高収入の有名人と結婚したおかげで、色々といい目
         にあってるようだ。しっかりした人らしく、時には林をたしなめたりしている。
    草餅  「手づかみで食べたり、そこらの皿に盛ればただの草餅である。けれども素敵
         な皿に盛ると、季節を伝えるために作られた精緻な工芸品という感じがする。」
         馬子にも衣装、食物編かな。
    うどん 三枝成彰と飛行機に乗って四国高松へ行く。迎えの車がキャデラック。そして
         一杯90円の、うどんを食う。この「ミスマッチ」彼女も自覚している。

全60篇のエッセイは、どれひとつ手抜きをしてないので、どこからでも読める。
音楽、オペラ、ワイン、ファッション、旅行、グルメ、ダイエット、ペットetc盛り沢山
コピーライターを経験し、エッセイで作家デビューした彼女、何気ない言葉でも、よく読むと
キラリと光る感性が在る、などとエラソウナことを言わせて貰います。
なお、本書のタイトルは「くちなしの花」の♪旅路のはてまでついてくる~♪から来ている。


乱読状況 : シュニッツラー「カサノヴァの帰還」乱読始め。


 
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by tsc-edotyuu | 2005-04-24 01:55 | 乱読
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